座ったときにバランスのとれた姿勢とは、体を横から見たときに背中がS字になっています。
一般的なイスの場合、このバランスのよい姿勢を保つためには、人がイスに座ったときに意図的に座席に深く座り、腰を伸ばして背もたれにもたれなければなりませんが、この姿勢を長時間維持することは楽ではありません。
ヒップの後部と骨盤が前を向くよう支えることにより、上半身が傾いた姿勢から正しいラインを描くよう矯正してくれる骨盤サポート付きシートを導入しました。
胸部を支えて、背中の筋肉及び脊椎が前を向くようにリラックスさせてくれるチェストサポートと、ひじが机と同じ高さになるよう支えることにより、机上での作業時に肩や首の疲れを和らげてくれるエルボーサポートを導入しました。
ひざの高さを座面より高い位置に保って血液の循環を円滑に促し、左右均等な重さの分散と正しい姿勢の維持を可能にするフットレストを導入。着席時に重心が移動した場合にイス(キャスター)が動くことにより姿勢が変わることを予防するストッパー付キャスターを導入しました。
チェストサポートはそれぞれの体型や姿勢の変化に応じて傾き加減が調節できるようデザインされており、またチェストサポート未使用時には180度回転させて使用できるようになっています。
通常の椅子はシートと背もたれから構成されている。シートは長時間座ると臀部に圧が集中するためおしりが痛くなる。iPoleは、これまでの椅子の概念を覆し、背もたれではなくチェストで上半身を支えて座るというコンセプトです。まさに医学的、人間工学的な視点から腰に優しい椅子と言うことができる。
【繁成剛 教授 略歴】
昭和54年、九州芸術工科大学大学院終了後、北九州市立総合療育センター勤務を経て、
平成13年より近畿福祉大学福祉産業学科 教授に就任。
平成19年より東洋大学 ライフデザイン学部 人間環境デザイン学科教授に就任。